重度の睡眠障害には経絡治療が必須
重度の睡眠障害に大きな一歩。東洋医学的アプローチで見えた改善の兆し
睡眠障害、とくに 入眠困難や中途覚醒などの“重度のケース” は、現代医療でも改善が難しいことが少なくありません。
睡眠導入剤を一生飲み続けますか?
当院でも、首肩の緊張を緩めることで改善する「軽度の睡眠トラブル」は多くみられましたが、重度の睡眠障害に関しては、首肩の治療だけでは変化が出にくい という課題がありました。
しかし最近、当院の新メニューとして「日本鍼灸」の導入をしております。
■ 東洋医学からみた「重度の睡眠障害」の本質
東洋医学的に睡眠に「心」が深く関わっていると考えます。心は、全身に血を送り出して、精神的な働きを管理するものです。
心(火)と腎(水)の調和が崩れ、心と腎の連携が途絶えた状態を「心腎不交」といいます。
心と腎がバランス良く交流することで精神と体が安定するというのが東洋医学の基本概念です。
しかし両者の連携が切れると、
- 心は落ち着かない
- 腎は心を支えられない
という状態になり、精神不安・不眠・動悸などが起こります。
東洋医学では、睡眠は
陽気が外から内へ戻るプロセス
として捉えられています。
夜になると、日中に活動していた陽気が体の深部へ戻り、
心(精神活動)も落ち着き、身体も休息モードに入ります。
ところが、
肝・心・脾・腎のいずれか、もしくは全てが虚すると、この流れがうまくいかなくなる
とされています。
① 脾虚(血をつくる力の低下)
脾は食べ物から血をつくる臓。脾が弱ると血不足になり、軽度では胃経・大腸経に陽気が停滞して寝つきが悪くなる。
さらに進行すると本格的な血不足となり、重度の睡眠障害へ。
症状: 浮腫、倦怠感、話すのが億劫、食欲不振、軟便、息切れ。
② 腎虚(水分代謝の低下 → 血の水分不足)
腎は水分代謝を司り、手術・薬剤・加齢・炎症などで弱ると体の水分量が減少する。
血には津液(水分)が含まれるため、水分低下=血不足となり睡眠障害を招く。
脾虚と同じく、結果的に肝虚も引き起こす。
症状: 精力減退、耳鳴り、難聴、足腰の重だるさ、頻尿、免疫力低下、無気力。
③ 肝虚(血の循環調整低下)
肝は血を貯え、全身へ巡らせる臓。肝虚になると血をうまく循環させられず、局所の虚血や滞りが生じる。
血が足りない部位(脳など)では陽気が戻れず睡眠障害へ。
肝はストレスに弱く、血不足(脾虚・腎虚)によって必ず二次的に肝虚が起こる。
症状: 眼精疲労、めまい、顔色・爪色が悪い、手足の痺れ、こむら返り、月経痛。
■ 実際の症例:入眠できず数時間悩む患者様
先日、長期間つづく重度の入眠困難でお悩みの患者様が来院されました。
首や肩の緊張は確かに強く、通常ならこれを整えるだけでもある程度は眠りやすくなるケースが多いのですが、
この方は反応が鈍いタイプ。
そこで東洋医学的に全体を診断したところ、
- 肝虚
- 心虚
- 脾虚
- 腎虚
と、全ての要素に虚が見られました。
■ 施術:四臓を「まるごと補う」アプローチ
今回は、
肝・心・脾・腎をすべて補う施術
を実施。
結果として――
その日の夜から「普通に眠れた」というご報告をいただきました。
もちろん一度で完治というわけではなく、
虚は時間をかけて補っていく必要があります。
しかし、
首肩だけでは改善しなかった重度の症状が大きく変化した
という点で、当院としては非常に大きな前進です。
■ 今後の方針
今後はこのアプローチをさらにブラッシュアップし、
症例を積み重ねて理論と実践を確立していきます。
睡眠障害で悩む方は非常に多く、
生活の質を大きく損なうだけでなく、
メンタル・自律神経・内臓機能にも深刻な影響を与えます。
あなたの「眠れない原因」が
首肩だけなのか、あるいは “四臓の虚” なのか、
東洋医学的な視点で知ることは大きなヒントになります。
必要な方はお気軽にご相談ください。


