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2019/04/07

疼痛治療の難しさ/〇〇すれば…は無い

痛みがある⇨鎮痛薬を飲む⇨痛みがやわらぐ

これが一番わかりやすい流れだと思います。

ただし、この場合には痛みがやわらぐだけで根本的な解決にはなりません。

痛みでも、筋肉に原因があるのか、神経に原因があるのか、炎症があるのか、心因性なのか、様々な原因が考えられます。

筋肉が原因でも、筋肉のどこが痛んでいるのかで治療部位は全く異なります。

肩関節の痛みであれば、腱板断裂はあるのか、腱板損傷はあるのか、石灰化はしていないか、滑液包に炎症はあるのか。

腰痛であれば圧迫骨折はあるのか、すべり症・分離症はあるのか。

挙げればキリがありません。

ですから、痛いから〇〇すればいいという簡単なルールはありません。

その痛みに対して鎮痛薬を服用するのは一時しのぎという認識を持って服用するのはオッケーです。

鎮痛薬で良しとするのは危険です。

結局は根本を取り除かなければ解決しません。

ですが、痛みの原因を特定するのは至難の業です。

病院では、神経・骨・筋肉の主に3つに絞って診断されます。

神経に器質的変化があればそれを診断に。

骨に器質的変化があればそれを診断に。

それ以外は筋肉の使いすぎだと診断します。

治療は主にオペか鎮痛薬か物理療法です。

この考え方は欠点だらけです。

神経や骨の器質的な変化で痛みを引き起こすことはほとんど無いのです。

また、筋肉の使いすぎが原因と診断されても、筋肉のどこが痛んでいるという診断はされません。

痛みの8割は軟部組織が原因ですから、このような診断、治療では痛みは取れません。

筋肉のどこが痛んでいるのかを判断して根本を治療する必要があります。

逆に私たちは、来院される患者様が、神経に原因はないか?病院へ送るべきではないか?

ということをしっかり判断する必要があります。

全ては患者様のためです。

日本の痛み治療は遅れています。

治らない患者様を分析してこなかったからです。

治らないということは間違った治療をしているということです。

患者様がしっかり通院することが大前提でありますがね。

やっと最近は分析されるようになってきました。

その代表がヘルニアです。

ヘルニアでオペ後に症状が消失するのは2%です。

それを無視してオペをし続けていましたが、最近では保存療法が一般的になりました。

当院には狭窄症のオペ後に症状が全く変わらないという患者様が多く来院されます。

オペをして症状が取れないことが多いというリスクを患者様も知っておくべきです。

当院では、鍼灸治療が適応しないと考えられる症例には病院へ行っていただくことを心がけております。

患者様第一に考えておりますので、安心してお問い合わせいただければと思っております。


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