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2017/06/26

五十肩は「鍼1割・手技9割」で治す

トリガーポイント療法では「五十肩」は難治性と言われています。

結論:五十肩は手技で治す!!これですね。

私は、五十肩を永遠の課題のひとつとしています。

五十肩の治療は多くの治療パターンを試しデータを収集してきました。

手技療法が最も有効です。

マッサージではありません。

あくまで、トリガーポイントの理論に則った手技療法です。

まだまだデータ収集をしていく必要がありますが、鍼をメインにするよりも圧倒的に鎮痛効果が高いという結果になっています。


トリガーポイント療法のグループでは、手技よりも鍼を使う方が鎮痛効果が高いとされています。

これは完全に固定観念です。

これではまるで少年野球です。

少年野球(軟式)ではストレートしか投げれません。

響きや認知覚だけのストレートな治療をしてばかりではカーブやチェンジアップの効果はいつまでも知ることはできません。

ストレートは必ず打たれます。

そうなればコースを変えるのではなく、球種を変えるしかありません。

鍼治療で響きや認知覚をしっかり出すことができても必ず治らない患者が出てきます。

細い鍼に変えてみたり、トリガーポイントを外してみたり、手技をメインにしてみたりと緩急を使うことが大切です。

先輩方の多くは、治らないときに「心因性疼痛だ!」と決めつけています。

これは本当に情けないですし、自分が完璧だと思っている心を裏付けています。

例え、心因性疼痛だとしてもこの決めつけは鍼灸師失格だと私は思います。

私が1番大切にしていることは「先入観・固定概念」を捨てることです。

先輩方の施術見学や講義を聞くことが今まで何度もありましたが、臨床経験が増すほど「先入観・固定観念」にとらわれているように感じます。

「自分は治せる治療家だ!言っていることは正しい!」と言わんばかりの方が非常に多いです。


トリガーポイント療法においては「認知覚」を患者様に聞きながら確認し治療をしていきますが、深く聞き出していない場合も多いように感じます。

鍼を刺すことによる患者様が感じる感覚には多くの種類があります。

1.鍼を刺したとき、患者様は痛いところに単純な響きを感じるとそれを認知覚と混同してしまう場合が多い

2.鍼が血管や骨に当たったときに生じるただの痛覚を響きや認知覚と混同してしまう場合が多い

3.ただ痛いだけ

4.認知覚っぽいけど少し違うようにも感じる

5.悪いところに近い

それぞれの感覚なのでキリがありませんが、ざっとこんなところでしょうか。

感覚を言葉にするということは難しく、ひとりひとり違います。

日本の人口は1億2674万人ですから1億2674万通りあると言ってもいいです。

認知覚は患者様が、指や鍼が責任トリガーポイントに当たった時に感覚的に「自分の悪いところはそこ!」と感じる感覚のことを言うのですが、あくまでこれは教科書の基本中の基本です。

認知覚をしっかり認知覚として捉えない患者様も多いです。

逆に認知覚ではない刺激を認知覚と捉えてしまう場合もあります。

ですから、患者様の感覚は疑う必要があります。

本当に認知覚か?

血管や骨の痛みじゃないか?

認知覚だと患者様は言っているが、こちらが認知覚だと言うように誘導しているようなことはないか?

疑いつつ何度も聞き直して確認する必要があります。

つっぱる痛みというのは伸ばされたときに生じる痛みですが、患者様が「つっぱる痛みを感じる」と言っても実は伸張痛ではなく収縮痛のこともあります。

全てを疑う必要があります。時には自分の治療も考えも疑う必要があります。

固定概念を捨て、先入観を捨て、傲りを捨てれば治らない症例に当たっても「心因性疼痛」という言葉は出ないのです。


五十肩から脱線してしまいました。

当院では五十肩について、固定概念や先入観を捨て、データ収集してきました。(今後も継続)

H29時点で「手技療法で五十肩を治す」ことをやっています。

五十肩をあきつ鍼灸治療院で治していきたいという方はご相談ください。

まずは手技療法中心で施術していき、鍼のほうがいいと判断した場合は鍼中心に切り替えます。

これは矛盾ではありませんよ。

緩急です。

常に自分の施術を疑い、患者様にとって最良の治療を提供するために必要なことなのです。

鍼灸治療は経験医学ですから、臨床で色々なことを試すことで新たな発見があります。

五十肩以外の症状も対応しておりますのでお気軽にご相談ください。

 


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