みなさんアイスクリームとおでんの話知ってます?
これは統計学の有名な話です。
物事には相関関係・因果関係・無相関・擬似相関があります。
- 気温が上がるとアイスクリームの売上が増える
- 気温が上がるとおでんの売上が減る
- アイスクリームが売れるとおでんが売れなくなる
因果関係がないのはどれでしょう?
「アイスクリームが売れるとおでんが売れなくなる」これは負の相関関係がみられますが、「アイスクリームの売上が増えた」から「おでんの売上が減った」ということは直接的な根拠が言えません。つまり因果関係はありません。
一見、相関関係があるように見えるが、実際は「気温」という別の要因があります。
これを擬似相関と言います。
このように因果関係は相関関係の中に存在しますから、相関関係がみられても、その相関には因果関係があるのかを疑って見ないと誤った分析や予測につながる恐れがあります。
実はMRI検査によるヘルニアや脊柱管狭窄症の診断と腰痛や足の痺れなどには因果関係が無い可能性と擬似相関である可能性があるんです。
どちらの可能性もあるので、ヘルニアが原因だと診断するには、明らかな神経症状を確認しなければなりません。
痺れ痛みは神経症状であって神経症状ではないのです。
みなさん画像診断とあなたの症状に因果関係はあると思いますか?
おそらく多くの方が「腰痛や足の痺れとMRIの画像に因果関係がある」と認識しているはずです。
それは危険な認識です。
2015年、アメリカのブリンジキ博士らによるメタアナリシスでは、
無症状の健常者を対象にしたMRI画像の分析から、
60代では**88%**に椎間板変性、**40%**に椎間板ヘルニア、**30%**に脊柱管狭窄が認められました。
つまり、「画像に異常がある=症状がある」とは言えないということです。
たまたま画像と症状が同時に存在しているという可能性もあるのです。
一見、相関関係があるように見えるが、実際は別の「筋肉や筋膜など軟部組織」という要因があるのです。
そこを明らかにするためには、本当に今ある症状が「神経由来の症状なのか」を検証するしかありません。
多くのドクターは、画像を見て「ヘルニアですね」「狭窄がありますね」と診断します。
しかし、それはあくまで“画像上の所見”を述べているだけで、痛みやしびれの“原因”を示す根拠ではありません。
私は、症状の原因が本当に神経由来なのかどうか、問診を通して見極めています。
そこに、擬似相関ではなく因果関係があるのかを探る大きなヒントが隠れているのです。
実際には、筋肉や筋膜といった軟部組織の異常が、痛みやしびれの真の原因になっているケースも少なくありません。
画像に映らない見えない問題こそ、見落とされやすいのです。
もし、ヘルニアや狭窄と診断されても症状が改善しない方は、
ぜひ一度、当院のトリガーポイント治療を受けてみてください。
本当の原因が見えてくるかもしれません。
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