インナーユニットの再教育で腰痛・姿勢を根本から改善する方法
みなさんは「インナーユニット」という言葉をご存じでしょうか?
インナーユニットとは、体の奥深くにある4つの筋肉で、私たちの姿勢や腰の安定に大きな役割を果たしています。
インナーユニットとは?
インナーユニットを構成するのは次の4つの筋肉です。
- 腹横筋(お腹をコルセットのように締める)
- 多裂筋(背骨を支える)
- 横隔膜(呼吸と姿勢を同時にコントロール)
- 骨盤底筋群(骨盤の底から内臓を支える)
これらは、普段意識しなくても「姿勢を保つために自動的に働く」のが理想です。
しかし、ストレスや運動不足、加齢、ケガ、長時間の座位などで働きが鈍くなると、腰痛や猫背、体幹の不安定さが出てしまいます。
なぜ「再教育」が必要なのか?
筋肉を単純に鍛えるだけでは不十分です。
インナーユニットは「強さ」よりも「正しいタイミングで働けること」が大事だからです。
人の身体はどんな動きをするときも、まず「体幹を安定させる準備」から始まります。
その中心を担うのが 腹横筋(ふくおうきん) です。
- 立ち上がる
- 歩き出す
- 棚の物を取る
- くしゃみをする
こうした一つ一つの動作の「初動」で、まず腹横筋が収縮して体幹を安定させます。
全ての動きはまず 腹横筋 → 多裂筋 → 骨盤底筋群 の連携から始まる。
ここがスムーズに働いてこそ、体は本来の力を発揮できるのです。
例えば…
- 動き出す前にスイッチが入らない
- 呼吸が浅く、腹横筋や横隔膜がサボっている
- アウターマッスル(腹直筋や広背筋など)が代わりに頑張りすぎる
このような状態が続くと、腰や肩の不調に直結します。
だからこそ、目覚めさせる=再教育が必要なのです。
自宅でできるインナーユニット再教育エクササイズ
1. ドローイン(腹横筋)
仰向けで膝を立て、息を吐きながらおへそを背骨に近づけるようにお腹を薄くします。
呼吸を止めずに、5〜10秒キープしましょう。
2. 腹圧呼吸(横隔膜+腹横筋)
お腹全体を360度ふくらませるイメージで息を吸い、吐きながら軽くお腹を締めます。
肩で呼吸せず、お腹まわりの広がりを意識するのがポイントです。
3. 骨盤底筋の引き上げ
尿を止めるような感覚で骨盤の底から引き上げ、同時に軽くお腹を締めます。
これも呼吸を止めずに行いましょう。
4. 多裂筋の活性化
四つ這いになり、背骨を「長くする」意識で軽く反らします。
腰ではなく背骨1つ1つが支え合う感覚を持てると理想的です。
鍼灸で多裂筋や腹横筋の緊張を整えた直後は、神経のスイッチが入りやすくなります。
そのタイミングでエクササイズを行うと、より効果的にインナーユニットを再教育できます。
まとめ
インナーユニットは体幹の“土台”です。
鍛えるのではなく、正しく働くように目覚めさせることが大切。
その上でアウターマッスルを使えば、姿勢も動きも安定し、腰痛予防やパフォーマンスアップにつながります。
当院では、鍼灸とエクササイズを組み合わせて、あなたのインナーユニットを再教育するサポートをしています。
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